【みなし贈与にご注意】


注意が必要な親族間の賃貸借

  親族間の金銭貸借は原則として贈与にあたるとされていますみなし贈与にあたるとされる場合には、高い税率の贈与税が課せられることになります。親族間で財産的利益の付与がされた場合には、特別の事情が存在しない限り、贈与であると認められているのが相当です。
みなし贈与とされないためには、
①金銭貸借があったと証明するための契約書を作成すること
②返済履歴の証明
③利子の返済

  親族間の金銭の貸し借りは「租税回避の手段としてされることが少なくない。」ため、事実上の贈与として扱われており、金銭の貸し借りだと主張するには、当事者間で金銭消費貸借契約があったことを証明できるだけの明確な証拠をしなければならないとされています。

1つ目の要件は、金銭貸借があったと証明するための契約書の作成です。
証拠として残す契約書は、借主のみが署名捺印する「借用書」と当事者双方が署名捺印する「金銭消費貸借契約書」の2種類があります。
いずれを選択しても証拠としての力に大きな差はないとされていますが、原則として2通作成し、貸して、借り手の両者が手元に保管する金銭消費貸借契約書の方が、紛失などの間違いが起こりにくいとされています。
金銭消費貸借契約書を間に合わせて作成したと国税当局や裁判所に疑われないようにするために、公証役場で確定日付印を押してもらうのが良いです。

2つ目の要件は返済履歴の証明です。実際に契約を履行している事実の証明が求められます。
履歴が残る銀行振り込みで返済するといった工夫が必要となります。

最後の要件は、利子の設定です。2つ目の要件までを金銭消費貸借契約の事実を証明できたとしても、借入金が無利子だと「利子に相当する金額の利益を受けたものとして、その利益相当額は、贈与として取り扱われる場合があります。」(国税庁タックスアンサー)
契約書作成時には、借入金にかかる利子を忘れずに設定、記載し、利子を加えて返済するようにしたいところです。

ご質問、お問い合わせは弊所お問合せフォームよりお願い致します。
(2022年5月26日更新)


 


 

【コロナ禍に活用できる支援金・補助金のお知らせ】

 事業復活支援金

<概要>
 新型コロナウィルス感染症により、大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主に対して、事業規模に応じた給付金を支給します。
<対象と支援金額>
 2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018年11月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して50%以上、又は30%以上50%未満減少した事業者が対象になり得ます。
支給上限額は、個人事業主は最大50万円、法人は売上高によって最大100万円から250万円まで。
申請期間は2022年1月31日~5月31日です。
ご関心ある方はお問合せ下さい。


 事業再構築補助金

  ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援する補助金です。
対象は、新分野展開などの思い切った事業再構築に挑戦する中小企業等です。
中小企業 通常枠の場合、必要経費の2/3、最大 6000万円まで補助されます。
今回(第五回公募)の申請受付は令和4年3月24日までです。
(2022年2月7日更新)

【ご注意! 自筆証書遺言に添付する財産目録の改正点】

 
2019年1月から自筆証書遺言に係る財産目録については、ワープロやパソコンで作成し、署名捺印するだけで認められるようになりました。

さらに、法務局は、2020年7月より、自筆証書遺言書を一通3,900円で保管し、相続人の一人が閲覧した時点で他の相続人にも遺言書の存在についての通知がいくことになりました。

ただし、法務局は、遺言書を保管するだけなので、内容の正確性及び意思能力の担保をするものではないということに十分注意する必要があります。

遺言者本人が作成時点の自分の意思で書いたことを保証したいのであれば、公正証書遺言(公証人が本人確認と意思確認を行ったうえで作成される)が有効です。
(2021年 9月更新) 

【消費税・総額表示義務化スタート】

4月1日から商品等の価格表示が、消費税額分を含めた価格を表示する「総額表示方式」の義務化がスタートします。

総額表示方式の義務化は、2004年4月より実施されていましたが、消費税率を引き上げる際、2014年4月と19年10月の二度にわたる消費税率引き上げが決まっていたため、事務負担などへの配慮から、税抜価格のみの表示が特例として認められてきました。2021年4月以降は、その特例が廃止されるため、「総額表示方式」に戻ることになります。

基本的には従来の総額表示方式と同じですが、軽減税率の導入に伴い、同一の飲食料品につき
テイクアウト等と店内飲食の双方を行う場合の価格表示に注意が必要です。 

この場合、テイクアウト価格か店内飲食価格のどちらかだけを表示しても、消費税法には違反しませんが、お客様とのトラブル防止のためにも、テイクアウトにするか店内飲食をするかという顧客の意思表示により、異なる税率が適用され、税込価格が別途計算されることがあり得る旨を、メニュー表や店舗内の目立つ場所に掲示して、注意喚起を行うことが重要です。
(2021年3月更新)

【テレワーク通信経費課税基準明示】 

国税庁はテレワークにかかる通信費や電気料金について、源泉所得税の課税基準をまとめました。通信費は在宅勤務した日数分の2分の1、電気料金は自宅のうち業務に使用した部屋の床面積の割合に応じて在宅勤務日数分の2分の1を非課税とする計算式を明示しています。

たとえば、1か月のうち在宅勤務を20日間行った場合、通信費は20日間の2分の1である10日分が業務分として認められます。電気料金は、さらに仕事部屋の床面積の割合を掛け合わせて求めます。自宅床面積70平方メートルのうち仕事部屋が10平方メートルであれば、10日間分の7分の1の電気料金が非課税となります。

「2分の1」については、1日のうち平均睡眠時間8時間を除いた時間に占める法定労働時間(8時間)の割合から算出されています。
(2021年2月更新)

【 固定資産税の負担軽減 住宅用地も】


令和3年度税制改正大綱における新型コロナ対策として、土地にかかる固定資産税の負担を軽減する特例が、商業地だけでなく、住宅用地や農地など全ての土地に適用されることになりました。

地方税である固定資産税は3年に1度、課税基準となる評価額が見直され、21年度はその評価替えの年に当たります。

新たに適用される評価額は20年1月1日時点の地価に基づき算定されますが、昨年1月1日時点は、コロナ禍直撃前で、地価は全国的に上昇していました。

そこで、昨年時点の地価に基づく算定では、課税負担が重くなり、コロナ禍からの回復に水を差すとの理由から負担軽減を求める声があがり、新たに以下の特例が設けられることとなりました。

「地価が上昇した土地の税額を現行水準に据え置き、税負担が増えないようにする」

この土地の対象範囲を巡っては、当初、商業地だけにするという意見もありましたが、最終的には住宅用地や農地を含む全ての土地が対象となりました。

ただし、この特例は、令和3年度に限って固定資産税の上昇分を令和2年度水準に据え置くというものなので注意が必要です。
(2021年1月更新)

【 役員報酬ゼロと社会保険料など】


役員報酬がゼロとなった場合、役員は、健康保険や厚生年金の資格を喪失してしまうことになります。そして、保険料の負担は、雇用主も被保険者もなしということになります。

ただし、「国民皆保険」の原則から、後期高齢者医療制度の対象になる75歳に達していない人は、国民健康保険に加入しなければならなくなります。

健康保険は個人事業主の場合、従業員5人以上で加入義務が生じるため、このルールと混同して、法人でも5人未満なら任意加入と勘違いされがちですが、代表者1人だけの法人でも加入は義務となります。

健康保険は、役員・社員(常用パート含む)ともに加入義務があり、また、厚生年金についても原則として健康保険と同様の扱いになっています。

雇用保険は、個人経営で5人以上なら加入義務がありますが、法人の代表者は加入できません。

さらに、労災保険は、原則、従業員を1人でも雇えば加入義務が生じます。

以上、役員や経営者の方は、お間違えないようご確認ください。
(2020年12月更新)